武末法律特許事務所 [福岡] 離婚の慰謝料 福岡の弁護士
1、特に定まった基準などは有りません。過去の判決例を見ると、一般的には金300万円 を上限として、情状により低減されているように見えます。 バブルの頃は、世間相場に対応して上限金500万円が相当とか言われたこともあり ますが、現在はまた元に戻ったように見えます。 しかし、事情によっては、慰謝料という性質上、事案によってより高額が認められること もあります。 2、離婚に伴う給付額が大きくなるのは、財産分与の額による場合が多く認められます。 これは、離婚原因の責任の有無を問わずに、夫婦になって得た共有財産は全て2分の 1するのが原則だからです。 しかし、財産分与の対象は、結婚以前から有していた財産や相続や親族からの贈与に よって得た財産は含まれません。 また、負債も2分の1が原則ですが、不動産などのローンの場合には不動産を取得す る側が負担することが多くみられます。 3、特に、片方のみに離婚原因の責任がなく、かつ見るべき共有資産もない場合には、収 入源のある方(主に夫)から収入源のない方(主に妻)に一定額(金300万円程度)の給 付をさせる場合が、見受けられます。 一般的に、夫は従来の仕事の継続により将来の収入が見込めますが、特に専業主婦 であった女性は将来の収入に大きなハンデイが有るからです。 1、有責配偶者を相手に離婚を求める場合には、上記の基準と変わりは有りません。 2、有責配偶者が、離婚を求める場合には、相手方が拒絶した場合にはまず離婚が認め られません。 相応の給付を提供することで認められた例も有ります。これは、有責性の度合いが薄 く、子供たちも独立していてその養護に不安がなく、かつ相手方が不安なく十分に将来生 活出来る程度の給付が提供された場合です。 3、最高裁判所が、有責配偶者でも、一定の要件を満たせば、離婚を認めるという判断を 下して以来、有責配偶者からの離婚請求はそれまでのように絶対不可能とは言えなくな りました。儒教思想から解放されて人間性を重視する破綻主義を重んじるようになった からだと思慮されます。 しかし、一定の要件はより人間的な実質的な思想に従って、子供の福祉、相手の将来 の生活、一定の期間などが掲げられています。なかには一定の期間過ぎれば離婚可能 などと誤解している専門家もいますが、その場合にも相当の給付の提供が条件とされま す。また一定期間もその具体的な状況により長短があり、5年でも可という場合もあり1 5年でも不可という場合が認められます。 (当職は、特に離婚事件については全国から依頼を受けますので事案特定の対象地は特定の地方を指す ものではありません)。 1、夫が地方都市の病院の2代目医師で、看護婦さんを自宅に入れて子供も作った有責 配偶者である夫から離婚を求めた事案で、子ども二人を育て上げた専業主婦である妻 からの依頼の事件で、居住していたマンションと現金給付合わせて約1億円で和解した 事案があります。 2、夫が地方都市の企業の経営者で、それまで一人娘を大事にしていたが、外(ホステス さん)との間で男の子を不妊治療法で得た有責配偶者である夫から離婚を求めた事案 で、自分も仕事を持っていた妻からの依頼の事件で、居住していた自宅と現金給付合わ せて約1億円で和解した事案があります。 3、夫が地方都市の一般的サラリーマンで、独身の女性と同居した事案で、3人の子供を 養育中の遠方の地方都市に居住し、離婚を拒絶しながら婚費を求めている妻を相手 に、有責配偶者である夫からの依頼の事件で、相当期間(定年まで)の分割による約金 3000万円で和解した事案があります。 4、夫婦共地方都市の教員で、夫が他の女性教員と同居した事案で、子育てを終わった が離婚を拒絶している教員の女性相手に、有責配偶者である夫からの依頼の事件で、 退職金全額相当の約金3000万円で(他の女性の退職金は無傷)和解した事例があり ます。 1、まず、いずれの立場にたっても、相手方の立場、心情を理解して、交渉に入ります。 特に、女心が分からない、真面目すぎる、片方の利益しか考えられない専門家は事を こじらすことが多くなります。 2、次に、人生観として、前向きに処理することを第一に考えます。そのうえで経済的補償 を考慮します。 端的に言えば、相手が有責者である場合に、手に職があり将来に選択肢が多い依頼 者の場合には、経済的給付の条件にとらわれずに早急な離婚を勧めます。 しかし、手に職がなく、子供の教育や将来の生活に不安を感じたり、特に将来を急がな い場合などは、相手の経済力に沿った最大限ないし納得出来る相応のの財産給付を得 るように勧めます。 3、この段階で、相手方と条件交渉に入りますが、その前に離婚を諦めて婚姻費用を支払 い続ける相手方や依頼者もいます。 また、当方が有責配偶者である場合には、可能な限り最大限の財産給付を検討して相 手に提案することを勧めます。 4、いずれの立場であっても、当職が相手の立場に立って提案し、相手が冷静に考えれ ば、相手もいわば最悪な現状から抜け出して、相応の資金を元に再出発することが人生 として有意義であるという共通の認識を持つことが出来るからです。 1、20年ほど前のバブルの頃、ある遊戯場会社の社長の愛人を7カ月して、相手と別れた いから、慰謝料を取りたいとの依頼を受けました。 2、彼女は自称元モデル、スチュワーデスで、美貌を保つために相当投資をしているとのこ とで、彼氏からの一か月の手当は金50万円、別れる原因は、当初子供も欲しい養育も すると約束していたのに、妊娠したとたんに降ろせと言われたこと、ということでした。 3、通常、愛人関係の清算に金員の要求は出来ません(支払った金員の返還請求も出来 ません)。 しかし、よく事情を聞くと、相手方には弱みが三つありました。一つは、彼氏が社長であ る会社は奥さんの実家の経営であること、二つ目は、当時大蔵省が厳しく取り締まりだし た架空名義の多くの定期預金を彼女が隠し管理していたため情報を持っていたこと、三 つ目は景品引取等の取り締まり係りの刑事に飲食、愛人等を提供していたこと等でし た。 4、これらを材料に、相手と交渉しましたが、彼女が子供を降ろす条件として1億円要求し 続けたために、ついに相手も根を上げて、どうにでもしてくれと居直りました。 しかし、3番目の相手の遊び人の刑事さんは、知っている刑事さんの予感がしたので、 念の為連絡して、事件に巻き込まれるかも知れない旨情報提供しました。 5、すると、驚くことに、突然相手方から金6000万円払うとの申し入れが有りました。後 で、刑事さんから聞いたことですが、刑事さんが彼氏に銀行から借金させて支払わせた そうです。 6、事後談が有ります。その1年後の夜中に彼女が私の家へやってきて(当時独身でし た)、前例と全く同じ条件での依頼を受けました。なんでもするからという破格の条件提 示がありましたが、さすがに丁重にお断りしました。その後の経過は聞いていませんが、 明日は我が身ということわざを肝に銘じていました。
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